2025年08月から参加
春がやってきた。 けむるように芽吹いた若草の上を、二羽の燕がひらひらと飛んでいる。 遠くを眺めれば、都の川の水が一本の青い流れとなって見える。 その碧い雲の下、あのあたりは皆、かつての私の宮殿だった。 堤の上に、義に生きる人はいないのか。 忠と義をもって、いったい誰が私の胸の怨みを晴らしてくれるのだろう――
わが心中の怨みを――
めちゃくちゃすぎる
このような人がわざわざ毒酒をつかおうというのはどういうことなのだろうか。流石に可哀想と思ったのだろうか。
ああ、天の道理は変わってしまった。 人の道も、もはや存在しないのだろう。 帝位という尊い位を捨てて、どうして私が心安らかでいられようか。 家臣たちに迫られ、命までも危うくなっている。 ただ、ぽろぽろと涙を流すばかりだ。
春がやってきた。
けむるように芽吹いた若草の上を、二羽の燕がひらひらと飛んでいる。
遠くを眺めれば、都の川の水が一本の青い流れとなって見える。
その碧い雲の下、あのあたりは皆、かつての私の宮殿だった。
堤の上に、義に生きる人はいないのか。
忠と義をもって、いったい誰が私の胸の怨みを晴らしてくれるのだろう――