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牛と「いなご」

一  穴を出ない虎は狩れない。  曹操は、あらゆる策をめぐらして、呂布へ挑んだが、 「もうその策には乗らない」と、彼は容易に、濮陽から出なかった。  そのくせ、前線と前線との、偵察兵や小部隊は日々夜々小ぜりあいをくり返し...

群星の巻 本文 三国志
3 days ago
火水木金土

一  渭水は大河だが、水は浅く、流れは無数にわかれ、河原が多く、瀬は早い。  所によって、深い淵もあるが、浅瀬は馬でも渡れるし、徒渉もできる。  ここを挟んで、曹操は、北の平野に、野陣を布いて、西涼軍と対していたが、夜襲朝討...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
亡流

一  渦まく水、山のような怒濤、そして岸うつ飛沫。この夜、白河の底に、溺れ死んだ人馬の数はどれ程か、その大量なこと、はかり知るべくもない。  堰を切り、流した水なので、水勢は一時的ではあった。しかしなお、余勢の激流は滔々と岸を洗...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
建艦総力

一  魏ではこのところ、ふたりの重臣を相次いで失った。大司馬曹仁と謀士賈詡の病死である。いずれも大きな国家的損失であった。 「呉が蜀と同盟を結びました」  折も折、侍中辛毘からこう聞かされたとき、皇帝曹丕は、 「まちがい...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
十面埋伏

一  袁紹はわずか八百騎ほどの味方に守られて、辛くも黎陽まで逃げのびてきたが、味方の聯絡はズタズタに断ち切られてしまい、これから西すべきか東すべきか、その方途にさえ迷ってしまった。  黎山の麓に寝た夜の明け方ごろである。  ...

孔明の巻 本文 三国志
3 days ago
両虎競食の計

一  楊奉の部下が、 「徐晃が今、自分の幕舎へ、敵方の者をひき入れて何か密談しています」  と、彼の耳へ密告した。  楊奉は、たちまち疑って、 「引っ捕えて糺せ」と、数十騎を向けて、徐晃の幕舎をつつみかけた。すると、...

本文 草莽の巻 三国志
3 days ago
梅酸・夏の陣

一  年明けて、建安三年。  曹操もはや四十を幾つかこえ、威容人品ふたつながら備わって、覇気熱情も日頃は温雅典麗な貴人の風につつまれている。時には閑を愛して独り書を読み、詩作にふけり、終日、春闌の室を出ることもなかった。また或る...

本文 草莽の巻 三国志
3 days ago
文武競春

一  冀北の強国、袁紹が亡びてから今年九年目、人文すべて革まったが、秋去れば冬、冬去れば春、四季の風物だけは変らなかった。  そして今し、建安十五年の春。  鄴城(河北省)の銅雀台は、足かけ八年にわたる大工事の落成を告げてい...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
青梅、酒ヲ煮テ、英雄ヲ論ズ

一 「張飛。――欠伸か」 「ムム、関羽か。毎日、することもないからな」 「また、飲んだのだろう」 「いや、飲まん飲まん」 「夏が近いな、もう……」 「梅の実も大きくなってきた。しかし一体、うちの大将は、どうしたも...

臣道の巻 本文 三国志
3 days ago
煩悩攻防戦

一  呂布は、櫓に現れて、 「われを呼ぶは何者か」と、わざと云った。  泗水の流れを隔てて、曹操の声は水にこだまして聞えてきた。 「君を呼ぶ者は君の好き敵である許都の丞相曹操だ。――しかし、君と我と、本来なんの仇があろう...

臣道の巻 本文 三国志
3 days ago
泥魚

一  途中、しかも久しぶりに都へかえる凱旋の途中だったが――曹操はたちどころに方針を決し、 「曹洪は、黄河にのこれ。予は、これより直ちに、汝南へむかって、玄徳の首を、この鞍に結いつけて都へ還ろう」と、いった。  一部をとどめ...

孔明の巻 本文 三国志
3 days ago
関羽千里行

一  時刻ごとに見廻りにくる巡邏の一隊であろう。  明け方、まだ白い残月がある頃、いつものように府城、官衙の辻々をめぐって、やがて大きな溝渠に沿い、内院の前までかかってくると、ふいに巡邏のひとりが大声でいった。 「ひどく早い...

孔明の巻 本文 三国志
3 days ago
許褚

人名 三国志
9 days ago