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霧風

一  陳大夫の息子陳登は、その後も徐州にとどまって城代の車冑を補けていたが、一日、車冑の使いをうけて、何事かと登城してみると、車冑は人を払って、 「実は、曹丞相から密書をもって玄徳を殺すべしというご秘命だが、やり損じたら一大事で...

臣道の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
遺孤を託す

一  この年四月頃から蜀帝玄徳は永安宮の客地に病んで、病状日々に篤かった。 「いまは何刻か?」  枕前の燭を剪っていた寝ずの宿直や典医が、 「お目ざめでいられますか。いまは三更でございます」と、奏した。  白々と耀き...

出師の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
死せる孔明、生ける仲達を走らす

一  一夜、司馬懿は、天文を観て、愕然とし、また歓喜してさけんだ。 「――孔明は死んだ!」  彼はすぐ左右の将にも、ふたりの息子にも、昂奮して語った。 「いま、北斗を見るに、大なる一星は、昏々と光をかくし、七星の座は崩れ...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
北斗七星旗

一  青貝の粉を刷いたような星は満天にまたたいていたが、十方の闇は果てなく広く、果てなく濃かった。陰々たる微風は面を撫で、夜気はひややかに骨に沁む。 「なるほど、妖気が吹いてくる――」  仲達は眸をこらして遠くを望み見ていた...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
不倶戴天

一  このとき丞相府には、荊州方面から重大な情報が入っていた。 「荊州の玄徳は、いよいよ蜀に攻め入りそうです。目下、彼の地では活溌な準備が公然と行われている」  曹操はかく聞いて胸をいためた。もし玄徳が蜀に入ったら、淵の龍が...

本文 望蜀の巻 三国志
7ヶ月 ago
白羽扇

一  荊州、襄陽、南郡三ヵ所の城を一挙に収めて、一躍、持たぬ国から持てる国へと、その面目を一新しかけてきた機運を迎えて、玄徳は、 「ここでよい気になってはならぬ――」と、大いに自分を慎んだ。 「亮先生」 「何ですか」 ...

本文 望蜀の巻 三国志
7ヶ月 ago
建業会議

一  手術をおえて退がると、華陀はあらためて、次の日、関羽の容体を見舞いにきた。 「将軍。昨夜は如何でした」 「いや、ゆうべは熟睡した。今朝さめてみれば、痛みも忘れておる。御身は実に天下の名医だ」 「いや、てまえも随分今...

出師の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
邯鄲

一  冬十月の風とともに、 「曹操来る。曹軍来る」の声は、西平のほうから枯野を掃いて聞えてきた。  袁尚は愕いて、にわかに平原の囲みをとき、木の葉の如く鄴城へ退却しだした。  袁譚は城を出て、その後備えを追撃した。そして...

孔明の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
南方指掌図

一  益州の平定によって、蜀蛮の境をみだしていた諸郡の不良太守も、ここにまったくその跡を絶った。  従って、孔明の来るまで、叛賊の中に孤立していた永昌郡の囲みも、自ら解けて、太守王伉は、 「冬将軍が去って、久しぶりに春の天日...

出師の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
竹冠の友

一  ここが大事だ! と龐統はひそかに警戒した。まんまと詐りおおせたと心をゆるしていると、案外、曹操はなお――間ぎわにいたるまで、こっちの肚を探ろうとしているかも知れない――と気づいたからである。  で、彼は、曹操が、 (成...

本文 三国志 赤壁の巻
7ヶ月 ago
日輪

一  呉侯の妹、玄徳の夫人は、やがて呉の都へ帰った。  孫権はすぐ妹に質した。 「周善はどうしたか」 「途中、江の上で、張飛や趙雲に阻められ、斬殺されました」 「なぜ、そなたは、阿斗を抱いてこなかったのだ」 「そ...

本文 三国志 遠南の巻
7ヶ月 ago
馬謖を斬る

一  長安に還ると、司馬懿は、帝曹叡にまみえて、直ちに奏した。 「隴西諸郡の敵はことごとく掃討しましたが、蜀の兵馬はなお漢中に留っています。必ずしもこれで魏の安泰が確保されたものとはいえません。故にもし臣をして、さらにそれを期せ...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
桃園終春

一  斗酒を傾けてもなお飽かない張飛であった。こめかみの筋を太らせて、顔ばかりか眼の内まで朱くして、勅使に唾を飛ばして云った。 「いったい、朝廷の臣ばかりでなく、孔明なども実に腑抜けの旗頭だ。聞けば、孔明はこんど皇帝の補佐たる丞...

出師の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
胡弓夫人

一  張飛と関羽のふたりは、殿軍となって、二千余騎を県城の外にまとめ、 「この地を去る思い出に」  とばかり、呂布の兵を踏みやぶり、その部将の魏続、宋憲などに手痛い打撃を与えて、 「これで幾らか胸がすいた」と、先へ落ちて...

本文 草莽の巻 三国志
7ヶ月 ago
毒泉

一  孟獲は自陣に帰った。だが数日はぼんやり考えこんでばかりいる。弟の孟優が、 「兄貴、とても孔明にはかなわないから、いっそ降参したらどうかね」  と意見すると、彼は俄然、魂が入ったようにくわっと眼をむいた。 「ばかをぬ...

出師の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
松に古今の色無し

一  旌旗色なく、人馬声なく、蜀山の羊腸たる道を哀々と行くものは、五丈原頭のうらみを霊車に駕して、空しく成都へ帰る蜀軍の列だった。 「ゆくてに煙が望まれる。……この山中に不審なことだ。誰か見てこい」  楊儀、姜維の両将は、物...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
木牛流馬

一 「それがしは、魏の部将鄭文という者です。丞相に謁してお願いしたいことがある」  ある日、蜀の陣へ来て、こういう者があった。  孔明が対面して、 「何事か」  と、質すと、鄭文は拝伏して、 「降参を容れていただ...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
渭水を挟んで

一  曹操の本軍と、西涼の大兵とは、次の日、潼関の東方で、堂々対戦した。  曹軍は、三軍団にわかれ、曹操はその中央にあった。  彼が馬をすすめると、右翼の夏侯淵、左翼の曹仁は、共に早鉦を打ち鼓を鳴らして、その威風にさらに気勢...

本文 望蜀の巻 三国志
7ヶ月 ago
古城窟

一  何思ったか、関羽は馬を下り、つかつかと周倉のそばへ寄った。 「ご辺が周倉といわれるか。何故にそう卑下めさるか。まず地を立ち給え」と、扶け起した。  周倉は立ったが、なお、自身をふかく恥じるもののように、 「諸州大乱...

孔明の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
母子草

一  于禁は四日目に帰ってきた。  そのあいだ曹操は落着かない容子に見えた。しきりに結果を待ちわびていたらしい。 「ただいま立ち帰りました。遠く追いついて、蔡夫人、劉琮ともに、かくの如く、首にして参りました」  于禁の報...

本文 三国志 赤壁の巻
7ヶ月 ago
群英の会

一  敗戦の責任を問われるものと察して、蔡瑁、張允の二人は、はや顔色もなかった。  恟々として、曹操の前へすすみ、かつ百拝して、このたびの不覚を陳謝した。  曹操は、厳として云った。 「過ぎ去った愚痴を聞いたり、また過去...

本文 三国志 赤壁の巻
7ヶ月 ago
破衣錦心

一  或る日、ぶらりと、関羽のすがたが相府に見えた。  二夫人の内院が、建築も古いせいか、雨漏りして困るので修築してもらいたいと、役人へ頼みにきたのである。 「かしこまりました。さっそく丞相に伺って、ご修理しましょう」 ...

臣道の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
二度祁山に出づ

一  漢中滞陣の一ヵ年のうちに、孔明は軍の機構からその整備や兵器にまで、大改善を加えていた。  たとえば突撃や速度の必要には、散騎隊武騎隊を新たに編制して、馬に練達した将校をその部に配属し、また従来、弩弓手として位置も活用も低か...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
美丈夫姜維

一  それよりも前に、天水郡の太守馬遵は、宿将重臣を集めて、隣郡の救援について、議するところがあった。  主記の梁虔がその時云った。 「夏侯駙馬は、魏の金枝玉葉。すぐ隣にありながら、南安の危急を救わなかったとあれば、後に必ず...

五丈原の巻 本文 三国志
7ヶ月 ago
山谷笑う

一  八十余万と称えていた曹操の軍勢は、この一敗戦で、一夜に、三分の一以下になったという。  溺死した者、焼け死んだ者、矢にあたって斃れた者、また陸上でも、馬に踏まれ、槍に追われ、何しろ、山をなすばかりな死傷をおいて三江の要塞か...

本文 望蜀の巻 三国志
7ヶ月 ago