一 彼の病気はあきらかに過労であった。それだけに、どっと打臥すほどなこともない。 むしろ病めば病むほど、傍人の案じるのをも押して、軍務に精励してやまない彼であった。近頃聞くに、敵の軍中には、また気負うこと旺なる将士が、大いに...
一 孔明は五度孟獲を放した。 放つに際して、 「汝の好む土地で、汝の望む条件で、さらに一戦してやろう。しかしこんどは、汝の九族まで亡ぼすかも知れないぞ。心して戦えよ」といった。 弟の孟優も朶思大王も、同時に免した。...