一 都門をさること幾千里。曹操の胸には、たえず留守の都を憶う不安があった。 西涼の馬超、韓遂の徒が、虚をついて、蜂起したと聞いたせつな、彼は一も二もなく 「たれか予に代って、許都へ帰り、都府を守る者はないか。風聞はまだ風...