一 冬十月の風とともに、 「曹操来る。曹軍来る」の声は、西平のほうから枯野を掃いて聞えてきた。 袁尚は愕いて、にわかに平原の囲みをとき、木の葉の如く鄴城へ退却しだした。 袁譚は城を出て、その後備えを追撃した。そして...