一 「逃がしては!」と、徐盛は、水夫や帆綱の番を励まして、 「追いつけ。孔明の舟をやるな」と、舷を叩いて励ました。 先へ舟を早めていた孔明は、ふたたび後から追いついて来る呉の船を見た。孔明は、笑っていたが、彼と船中に対坐し...