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一書生

一  程秉は逃げ帰るように急いで呉国へ引き揚げた。その結果、ふたたび建業城中の大会議となって、閣員以下、呉の諸将は、今さらの如く蜀の旺盛な戦意を再認識して、満堂の悽気、恐愕のわななき、おおうべくもなかった。 「諸員。何をか恐れる...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
武祖

一  曹操の死は天下の春を一時寂闇にした。ひとり魏一国だけでなく、蜀、呉の人々の胸へも云わず語らず、人間は遂に誰であろうとまぬがれ難い天命の下にあることを、今さらのように深く内省させた。 「故人となって見れば彼の偉大さがなお分る...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
鈴音

一  孫高、傅嬰の二人は、その夜すぐ兵五十人をつれて、戴員の邸を襲い、 「仇の片割れ」と、その首を取って主君の夫人徐氏へ献じた。  徐氏はすぐ喪服をかぶって、亡夫の霊を祭り、嬀覧、戴員二つの首を供えて、 「お怨みをはらし...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
大号令

一  柴桑城の大堂には、暁天、早くも文武の諸将が整列して、呉主孫権の出座を迎えていた。  夜来、幾度か早馬があって、鄱陽湖の周瑜は、未明に自邸を立ち、早朝登城して、今日の大評議に臨むであろうと、前触れがきているからである。 ...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
鵞毛の兵

一  いま漢中は掌のうちに収めたものの、曹操が本来の意慾は、多年南方に向って旺であったことはいうまでもない。  いわんや、呉といえば、あの赤壁の恨みが勃然とわいてくるにおいてはである。 「漢中の守りは、張郃、夏侯淵の両名で事...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
総兵之印

一  蜀魏両国の消耗をよろこんで、その大戦のいよいよ長くいよいよ酷烈になるのを希っていたのは、いうまでもなく呉であった。  この時に当って、呉王孫権は、宿年の野望をついに表面にした。すなわち彼もまた、魏や蜀にならって、皇帝を僭称...

五丈原の巻 本文 三国志
3 days ago
短髪壮士

一  奪取した二ヵ所の陣地に、黄忠と魏延の二軍を入れて、涪水の線を守らせ、玄徳はひとまず涪城へかえった。  折からまた、遠くへ行った細作が帰ってきて、蜀外の異変をもたらした。 「呉の孫権が、漢中の張魯へ、謀略の密使をさし向け...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
遺孤を託す

一  この年四月頃から蜀帝玄徳は永安宮の客地に病んで、病状日々に篤かった。 「いまは何刻か?」  枕前の燭を剪っていた寝ずの宿直や典医が、 「お目ざめでいられますか。いまは三更でございます」と、奏した。  白々と耀き...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
孫権立つ

一 「あっ、何だろう?」  宿直の人々は、びっくりした。真夜半である。燭が白々と、もう四更に近い頃。  寝殿の帳裡ふかく、突然、孫策の声らしく、つづけさまに絶叫がもれた。すさまじい物音もする。 「何事?」と、典医や武士も...

孔明の巻 本文 三国志
3 days ago
成都陥落

一  馬超は弱い。決して強いばかりの人間ではなかった。理に弱い。情にも弱い。  李恢はなお説いた。 「玄徳は、仁義にあつく、徳は四海に及び、賢を敬い、士をよく用いる。かならず大成する人だ。こういう公明な主をえらぶに、何でうし...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
洛陽

洛陽(らくよう)とは、中国の古都であり、三国志の物語にとっても重要な舞台のひとつです。 洛陽は後漢王朝の都として栄えました。後漢末期には政治の腐敗や宦官の専横、そして黄巾の乱などによって大きく動揺し、それに乗じて各地の群雄が台頭する...

三国志 地名
3 days ago
不倶戴天

一  このとき丞相府には、荊州方面から重大な情報が入っていた。 「荊州の玄徳は、いよいよ蜀に攻め入りそうです。目下、彼の地では活溌な準備が公然と行われている」  曹操はかく聞いて胸をいためた。もし玄徳が蜀に入ったら、淵の龍が...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
建業会議

一  手術をおえて退がると、華陀はあらためて、次の日、関羽の容体を見舞いにきた。 「将軍。昨夜は如何でした」 「いや、ゆうべは熟睡した。今朝さめてみれば、痛みも忘れておる。御身は実に天下の名医だ」 「いや、てまえも随分今...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
諸葛氏一家

一  孔明の家、諸葛氏の子弟や一族は、のちに三国の蜀、呉、魏――それぞれの国にわかれて、おのおの重要な地位をしめ、また時代の一方をうごかしている関係上、ここでまず諸葛家の人々と、孔明そのものの為人を知っておくのも、決してむだではなか...

孔明の巻 本文 三国志
3 days ago
日輪

一  呉侯の妹、玄徳の夫人は、やがて呉の都へ帰った。  孫権はすぐ妹に質した。 「周善はどうしたか」 「途中、江の上で、張飛や趙雲に阻められ、斬殺されました」 「なぜ、そなたは、阿斗を抱いてこなかったのだ」 「そ...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
神卜

一  太史丞の許芝は、曹操の籠る病室へ召された。  曹操は、起きていたが、以来、何となくすぐれない容態である。 「許都に、卜の上手がいたな。どうも今度の病気はちとおかしい。ひとつ卜者に見てもらおうと思うのだが」 「大王、...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
周瑜・気死す

一  孔明の従えてきた荊州の舟手の兵は、みな商人に姿を変えていた。玄徳と夫人、また随員五百を各〻の舟に収容すると、たちまち、櫓櫂をあやつり、帆を揚げて、入江の湾口を離れた。 「やあ、その舟返せ」  呉の追手は、遅ればせに来て...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
国葬

一  呉侯は、呂蒙の死に、万斛の涙をそそいで、爵を贈り、棺槨をそなえ、その大葬を手厚くとり行った後、 「建業から呂覇を呼べ」と、いいつけた。  呂覇は呂蒙の子である。やがて張昭に連れられて荊州へ来た。孫権は可憐な遺子をながめ...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
白帝城

一  敵を誘うに、漫罵愚弄して彼の怒りを駆ろうとするのは、もう兵法として古すぎる。  で、蜀軍はわざと虚陣の油断を見せたり、弱兵を前に立てたり、日々工夫して、釣りだしを策してみたが、呉は土龍のように、依然として陣地から一歩も出て...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
上・中・下

一  葭萌関は四川と陝西の境にあって、ここは今、漢中の張魯軍と、蜀に代って蜀を守る玄徳の軍とが、対峙していた。  攻めるも難、防ぐも難。  両軍は悪戦苦闘のままたがいに譲らず、はや幾月かを過していた。 「曹操が呉へ攻め下...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
出廬

一  十年語り合っても理解し得ない人と人もあるし、一夕の間に百年の知己となる人と人もある。  玄徳と孔明とは、お互いに、一見旧知のごとき情を抱いた。いわゆる意気相許したというものであろう。  孔明は、やがて云った。 「も...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
舌戦

一  長江千里、夜が明けても日が暮れても、江岸の風景は何の変化もない。水は黄色く、ただ滔々淙々と舷を洗う音のみ耳につく。  船は夜昼なく、呉の北端、柴桑郡をさして下っている。――その途中、魯粛はひそかにこう考えた。 「痩せて...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
魚紋

一  玄徳の死は、影響するところ大きかった。蜀帝崩ず、と聞えて、誰よりも歓んだのは、魏帝曹丕で、 「この機会に大軍を派せば、一鼓して成都も陥すことができるのではないか」  と虎視眈々、群臣に諮ったが、賈詡は、 「孔明がお...

出師の巻 本文 三国志
3 days ago
霹靂車

一  呉を興した英主孫策を失って、呉は一たん喪色の底に沈んだが、そのため却って、若い孫権を中心に輔佐の人材があつまり、国防内政ともに、いちじるしく強化された。  国策の大方針として、まず河北の袁紹とは絶縁することになった。 ...

孔明の巻 本文 三国志
3 days ago
柳眉剣簪

一  その後、玄徳の身辺に、一つの異変が生じた。それは、劉琦君の死であった。  故劉表の嫡子として、玄徳はあくまで琦君を立ててきたが、生来多病の劉琦は、ついに襄陽城中でまだ若いのに長逝した。  孔明はその葬儀委員長の任を済ま...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago