冒頭 薛綜(せっそう)とは、沛郡(はいぐん)出身の士人として呉に属し、諸葛孔明の来呉時に行われた論戦の場で発言者の一人として現れる人物です。 生涯 吉川英治『三国志』では、呉の群臣が孔明と応酬する席に列し、孔明に対し...
一 長江千里、夜が明けても日が暮れても、江岸の風景は何の変化もない。水は黄色く、ただ滔々淙々と舷を洗う音のみ耳につく。 船は夜昼なく、呉の北端、柴桑郡をさして下っている。――その途中、魯粛はひそかにこう考えた。 「痩せて...