冒頭 袞龍(こんりゅう)とは、天子の礼服である袞衣に織り出された龍文様、またはその礼服自体を指す言葉です。吉川英治『三国志』では、天子に近い威光や禁中の権威を示す語として用いられ、許章が「袞龍の袖にかくれて哀訴」する場面や、献...
一 一銭を盗めば賊といわれるが、一国を奪れば、英雄と称せられる。 当時、長安の中央政府もいいかげんなものに違いなかったが、世の中の毀誉褒貶もまたおかしなものである。 曹操は、自分の根城だった兗州を失地し、その上、いなご...
一 孔明の家、諸葛氏の子弟や一族は、のちに三国の蜀、呉、魏――それぞれの国にわかれて、おのおの重要な地位をしめ、また時代の一方をうごかしている関係上、ここでまず諸葛家の人々と、孔明そのものの為人を知っておくのも、決してむだではなか...