冒頭 覇陵橋(はりょうきょう)とは、吉川英治『三国志』に登場する、河南省の許州付近にある橋で、許都を中心とする交通路の要所として描かれる地名です。 概要 作中では、河川に架かる長橋として示され、軍勢や車駕が往来し、検...
冒頭 楊琦(ようき)とは、後漢末の動乱期に、漢帝の行幸を近侍して護衛・通行の指揮に当たった侍中郎です。 生涯 作中では、天子が弘農へ還幸する途上、覇陵橋の橋上で行手をふさぐ兵に対し、楊琦が馬を進めて「漢の天子の御車」...
一 胡華の家を立ってから、破蓋の簾車は、日々、秋風の旅をつづけていた。 やがて洛陽へかかる途中に、一つの関所がある。 曹操の与党、孔秀というものが、部下五百余騎をもって、関門をかためていた。 「ここは三州第一の要害...
一 「なに、無条件で和睦せよと。ばかをいい給え」 郭汜は、耳もかさない。 それのみか、不意に、兵に令を下して、楊彪について来た大臣以下宮人など、六十余人の者を一からげに縛ってしまった。 「これは乱暴だ。和議の媒介に参...
一 時刻ごとに見廻りにくる巡邏の一隊であろう。 明け方、まだ白い残月がある頃、いつものように府城、官衙の辻々をめぐって、やがて大きな溝渠に沿い、内院の前までかかってくると、ふいに巡邏のひとりが大声でいった。 「ひどく早い...