檀渓を跳ぶ
蔡瑁は、彼女をなだめて、しきりと機を測っていたらしかったが、或る時、劉表にまみえて、謹んで献言した。「近年は五穀よく熟して、豊作が続いています。ことにことしの秋はよく実り、国中豊楽を唱えておりますれば、この際、各地の地頭官吏をはじめ、田吏にいたるまでを、襄陽にあつめて、慰労の猟を催し大宴を張り、もってご威勢を人民に示し、また諸官吏を賓客として、ご主君みずからねぎらい給えば荊州の富強はいよいよ万々歳と思われますが、ひとつお気晴らしに、お出ましあっては如何なもので」 。 劉表はすぐ顔を振った...
孔明の巻
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三国志