剣と戟と楯
その対策について、相議する時、孔明は明確に、方針を説いた。「魏が膨脹を欲するのは、たとえば伸びる生物の意欲みたいなものですから、その意欲をほかへ向けかえて、ほかへ伸展し、ほかへその精気をそそがしめれば、即ち当分のうちは、蜀は無事を保ち得ましょう。そのあいだに国防を充実することです」と、前提してから、「それには今、能弁な士を呉へ使いに立てて、先に約した荊州三郡を、確実に呉へ返し、かつ、時局の険悪と、利害を説き、孫権をして、合淝の城(安徽省・合肥)を攻めさせるのです。――ここは魏にとって重要な...
本文
三国志
遠南の巻