西部第二戦線
黄河の水も揚子江の水も、大陸へ流れ出ると、真黄色に濁っているが、このあたりではそう濁りもない清澄な谷川であった。 平和に倦んでいた高原の猛兵は、孔明の名を聞いても、どれほどな者か知らなかったし、その武器は、夷には似ず精鋭だったので、ほとんどすでに蜀軍を呑んでいるような気概でそれへ臨んでゆくのであった。 欧州、土耳古、埃及、などの西洋との交流が頻繁で、その文化的影響を、中国大陸よりも逆に早くうけていたこの羗族軍は、すでに鉄で外套した戦車や火砲を持ち、またアラビヤ血種の良い馬を備え、弓弩槍刀もす...
五丈原の巻
本文
三国志