女傑
これを現今の地図で測ると、もとより千七百年前の地名は遺されていないが、南方大陸の河流から考察するに、仏領印度支那のメコン河の上流、また泰国のメナム河の上流、ビルマのサルウィン河の上流などは、共に遠くその源流を雲南省、西康省、西蔵東麓地方から発して、ちょうど孔明の遠征した当時の蛮界をつらぬいているのではないかと思われる。 それと当年の蛮都を写している原書三国志の記述を見ても――。 コノ地銀坑山ト曰ウハ、瀘水、甘南水、西城水ノ三江繞リ、地平ラカニシテ北千里ガ間ハ万物ヲ多ク産シ、東三百里ニシテ塩...
出師の巻
本文
三国志