夏口
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「夏口」登場回数
合計: 26回「夏口」が登場する場面
7件一帆呉へ下る
――一体どうしてここへは。 人々が怪しんで問うと、孔明は微笑して、 。「およそこの辺にいたら、各〻と落合えるであろうかと、夏口の兵を少し募って、お待ちしていただけです」と、あまり多くを語らなかった。二。 危急に迫って、援軍をたのんでも、援軍の間に合う場合は少ないものであるが、それの間に合ったのは、やはり孔明自身行って、関羽や劉琦をよく動かしたからであろう。
功なき関羽
こう万全な手配りをすまして、曹操はやがてここを去ったが、左右の大将も士卒もあらかた後の防ぎに残して行ったので、その時、曹操に従って都へかえった数は、わずか七百騎ほどに過ぎなかったという。 その頃―― 。 夏口城の城楼には、戦捷の凱歌が沸いていた。 張飛、趙雲、そのほかの士卒は、みな戦場から立帰って、敵の首級や鹵獲品を展じて、軍功帳に登録され、その勲功を競っていた。 閣の庁上では、玄徳を中心に、孔明も立って、戦勝の賀をうけていたが、折ふしここへ、関羽もその手勢と共に戻って来て、悄然と拝礼した。
南風北春
「眼あらば見よ、耳あらば聞け。われは常山の子龍趙雲である。劉皇叔のおいいつけをうけて、今日、江辺に舟をつないで待ち、わが軍の軍師をお迎えして夏口に帰るに、汝ら、呉の武将が、何の理由あって阻むか。みだりに追い来って、わが軍師に、何を働かんといたすか」 。 すると、徐盛も舳に立ち上がって、 。
孔明・風を祈る
周都督のお旨は承らずとも分っておる。それよりもすぐ立ち帰って、東南の風もかく吹けり、はや敵へ攻めかからずやと、お伝えあれ。――それがしはしばらく夏口に帰る。他日、好縁もあらばまたお目にかからん」 。 声――終るや否、白衣の影は船底にかくれ、飛沫は船も帆もつつんで、見る見るうちに遠くなってしまった。
月烏賦
その大船の艫には、「帥」の字を大きく書いた旗を立て、弩千張と黄鉞銀鎗を舷側にたてならべ、彼は将台に坐し、水陸の諸大将すべて一船に集まって、旺なる江上の宴を催した。 大江の水は、素絹を引いたように、月光にかすんでいた。――南は遠く呉の柴桑山から樊山をのぞみ、北に烏林の峰、西の夏口の入江までが、杯の中にあるような心地だった。「ああ楽しいかな、男児の業。眸は四遠の地景をほしいままにし、胸には天空の月影を汲む。
殺地の客
(後日、またの機会に) 。 と、独りひそかに誓われていたにちがいなかった。 ――こうした南方の情勢一変と、孔明の身辺に一抹の凶雲がまつわって来つつある間に、一方、江夏の玄徳は、そこを劉琦の手勢に守らせて、自身とその直属軍とは、夏口(漢口)の城へ移っていた。 彼は、毎日のように、樊口の丘へ登って、 。「孔明は如何にせしか」と、長江の水に思慕を託し、また仰いでは、 。
狂瀾
近づいて見れば、自分の安否を気づかって迎えにきた張飛と船手の者どもだった。「おおよくぞ、おつつがなく」 。 一同は、無事を祝しながら、主君の船を囲んで、夏口へ引揚げた。 玄徳の立ち帰った後――呉の陣中では、周瑜が、掌中の珠を落したような顔をしていた。 魯粛は、意地わるく、わざと彼にこういった。