山谷
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「山谷」登場回数
合計: 13回「山谷」が登場する場面
7件偽忠狼心
そこで、曹操の身はたちまち、かねて備えてある鉄の檻車にほうりこまれ、明日にも洛陽へ護送して行くばかりとなし、守備の兵や吏事たちは、大いに酒を飲んで祝った。 日暮れになると、酒宴もやみ、吏事も兵も関門を閉じて何処へか散ってしまった。曹操はもはや、観念の眼を閉じているもののように、檻車の中によりかかって、真暗な山谷の声や夜空の風を黙然と聴いていた。 すると、夜半に近い頃、 。「曹操、曹操」 。
好敵手
そしてすでに陽も西山に沈もうとする頃、急に、黒雲白雲たちこめて、沛然と大雨がふりそそいできた。 それこそ神雨だったかも知れない。 両軍、相引きに退いて、人馬の喚きも消え去った後、山谷の空には、五彩の夕虹がかかっていた。 明くれば、孫策は、 。「きょうこそ、劉繇が首を見、太史慈を生捕って帰ろうぞ」 。
孔明・三擒三放の事
南国の夜、ようやく更けるも、風は暖かに星みな大きく、歓喜尽きるのを忘れしめる。 その宵。いやその頃すでに――瀘水の上流をこえ、山谷森林をくぐり、蜀陣の明りを目じるしに、蛮夷の猛兵万余の影が、狡猾なる獣のごとくかさこそと、蜀陣のうしろへ忍び寄っていた。 彼らは手に手に硫黄、焔硝、獣油、枯れ柴など、物騒な物のみ持ち込んでいた。頃はよしと、孟獲は躍り上がって、 。
洛陽落日賦
見給え」 。 と、楼台に誘って、彼方の山岳を指さした。 羊腸たる山谷の道を、蟻のように辿ってゆく車駕や荷駄や大兵の列が見える。 やがてそれは雲の裡にかくれ去った。 呂布は、眼を辺りへ移して、 。
秋風陣
と、朱雋の兵は、なんといっても前進しないのである。 聞けば、この高地へ向った官軍は、これまでにも何度攻めても、全滅になっているというのであった。黄巾賊の大方師張角の弟にあたる張宝は、有名な妖術つかいで、それがこの高地の山谷の奥に陣取っているためであるという。 そう聞くと張飛は、 。「妖術とは、外道魔物のする業だ。
転戦
「豎子っ、なんぞ死を急ぐ」 。 虚空に鳴る偃月刀の一揮、血けむり呼んで、人馬ともに、関羽の葬るところとなった。 賊の二将が打たれたので、残余の鼠兵は、あわて乱れて、山谷のうちへ逃げこんでゆく。それを、追って打ち、包んでは殲滅して賊の首を挙げること一万余。降人は容れて、部隊にゆるし、首級は村里の辻に梟けならべて、 。
酒中別人
「蜀すでにわが掌にあり」 。 と、三度の凱歌をあげさせた。 山谷のどよめく中に、庫中の酒は開かれ、将士は祝杯をほしいままにした。 玄徳も昼から酒に親しんでいたので、夜半から暁にかけて、幕僚の将を会して杯をかさねると、泥のように酔ってしまった。 大きな酒瓶にもたれて、彼は前後も知らず眠り始めた。