府中
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と、彼はうしろを顧みて、かねて用意させてきた路用の金銀を、餞別として、関羽に贈った。が関羽は、容易にうけとらなかった。「滞府中には、あなたから充分な、お賄いをいただいておるし、この後といえども、流寓落魄貧しきには馴れています。どうかそれは諸軍の兵にわけてやってください」 。 しかし曹操も、また、 。
「そのご決意さえ固ければ、もとより犬馬の労も惜しむものではありません。けれど呉君を始め、重臣たちのご意志のほども」 。「いやいや、明日、府中へ参ったら、呉君には自分からおすすめする。諸臣の異論など問題とするにはあたらない。号令一下。
三。 さらに筆をすすめては、。宮中府中は倶に一体たり、臧否を陟罰し、宜しく異同すべきにあらず。もし姦をなし、科を犯し、及び忠善をなすものあらば、宜しく有司に付して、その刑賞を論じ、以て、陛下の平明の治を明らかにすべく、宜しく偏私して、内外をして法を異にせしむべからず。 と、国家の大綱を説き、また社稷の人材を列記しては、。
「勅を以て取り上げらるるはお気の毒の限りですし、それでは当人の面子もありませんから私が参ってみずから頂戴しましょう」 。 と、長安へ立った。そして府中に病臥中の曹真に会い、病を見舞って四方山のはなしの後、 。「時に、呉の陸遜、蜀の孔明が、緊密に機を結びあって、同時に、わが国の境へ攻め入ってきたのをご存じですか」 。「えっ。