江岸
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「江岸」登場回数
合計: 62回「江岸」が登場する場面
7件この一戦
「あの意気では、ふたたび同じ戦法で行っても、先頃のような快勝はつかめまい」 。 馮習、張南、張苞、関興、すべて同意見だったので、一計をめぐらし、ひそかに手配にかかった。 呉の左翼たる陸軍は破れても、近き江岸にある右翼の水軍はまだ無傷だった。その江岸の哨戒隊がある日、蜀の一兵を捕えて、水軍の都督部へ引っぱって来た。「どうして捕まったか」 。
一帆呉へ下る
そう思われる節がないでもないからである。 ところが、その奇蹟は、数日の後、ほんとうに江夏を訪れて来た。「呉主孫権の名代として、故劉表の喪を弔うと称し、重臣魯粛と申される方の船が、いま江頭に着きました」と、いう知らせが、江岸の守備兵から城中へ通達されてきたのである。「どうして軍師には、この事あるを、ああはやくからお分りになっておられたのか。」 。
一竿翁
闞沢はそれを受取ると、さりげなく暇を告げ、夜に入ると、いつか呉の陣中からすがたを消していた。 それから幾夜の後とも知れず、魏の曹操が水寨のほとりで独り釣糸を垂れている漁翁があった。 悠々千里の流れに漁りして、江岸に住んでいる漁夫や住民は、もう連年の戦争にも馴れていて、戦いのない日には、閑々として網を打ち、鈎を垂れているなど、決してめずらしい姿ではなかった。 ――だがこのところ、ひどく神経の鋭くなっている曹軍の見張りは、あまりに漁翁が水寨に近づいて釣しているので、 。「怪しい老ぼれ。
不倶戴天
目下、彼の地では活溌な準備が公然と行われている」 。 曹操はかく聞いて胸をいためた。もし玄徳が蜀に入ったら、淵の龍が雲を獲、江岸の魚が蒼海へ出たようなものである。ふたたび彼を一僻地へ屈伏せしめることはもうできない。魏にとって重大な強国が新たに出現することになろう。
亡流
「ああ愉快、久しぶりで胸がすいたぞ。これくらい叩きのめせば、まずよかろう」 。 と、兵を収めて江岸をのぼり、かねてしめし合わせてある玄徳や孔明と一手になった。 そこには劉封、糜芳などが、船をそろえて待っていた。 玄徳以下の全軍が対岸へ渡り終ったころ、夜は白みかけていた。
休戦
曹操は、前夜、自己の中軍を攪乱された不愉快な思いを、きょうは万倍にもして取り返した。孫権がわずかな将士に守られて、濡須の下流へ落ちて行くと見るや、 。「あれ見失うな」と、自身江岸に沿って、士卒を励まし、数千の射手に、絶好な的を競わせたが、この日の風浪は、この時には孫権の僥倖となって、矢はことごとく黒風白沫にもてあそばれ、ついに彼の身にまでとどく一矢もなかった。 その上、いよいよ広やかな河の合流点まで来ると、本流長江のほうから呉の兵船数百艘がさかのぼって来た。これなん一族の陸遜がひきいて来...
冬将軍
一戦一進、蜀陣は屍の山を越え、血の流れを渡って進んだ。帝座のあたりを守る白旄黄鉞、また黄羅の傘蓋まで、ことごとく凍って、水晶の珠簾が揺ぎ進むようだった。 呉の水軍を統率していた甘寧は建業を立ってくる時から体がほんとでなかったので冬に入ってはいよいよ持病に悩み、味方の頽勢すこぶる憂うべきものがあったが、ぜひなく陸上軍の退却とともに、彼も江岸を馬に乗って落ちて行った。 すると途中、待ち伏せしていた蜀軍の南蛮部隊が、いちどに起ってこれを猛襲した。彼の軍はその大半以上が船中にあるので従えていた部下...