江州
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と玄徳はこの一瞬に勇断を奮って、ついに張飛へ直接大命を降してしまったのである。「直ちに、そちは軍備して閬中から南へ出でよ。朕、また大軍をひきいて、江州に出で、汝と合し、呉を伐つであろう」 。 張飛は、頭を叩いて歓び、階を跳び下りて、すぐ閬中へ帰って行った。 けれども、帝の軍備には、たちまち内部の反対が燃え、学士秦宓のごときは、直言して、その非を諫奏した。
いまは、ここに死なんと、玄徳が絶望のさけびを放ったとき、ふたたび思いがけない援軍が彼の前にあらわれた。 常山の趙雲子龍であった。 どうして、趙雲がこれへ来たかといえば、彼の任地江州は漢中よりもどこよりも最も戦場に近かったので、孔明が馬良と別れて、成都へ帰る際に、 。(即刻行って、帝を助けよ) 。 と、一書を飛ばしておいたものと思われる。