江波
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と、岸へ向って云った。 多くの舟から、どっと嘲笑があがった。 それに答えて岸からは、雨のように矢が飛んできたが、みな江波に落ちて藁のように流されてしまった。 しかし、江上を数里進んで、ふと下流を望むと、追風に満帆を張った兵船が百艘ばかり見えた。中央に「帥」の字の旗をたてて、明らかにそれには大都督周瑜が坐乗しているらしい。
……そうか、呉をしてまず、戦わせるか」 。「荊州の危うきときは、漢川も危殆に瀕し、漢川を失えば蜀もまた窒息のやむなきに至りましょう。いずれにせよ、長江波高き日は、玄徳が一日も安らかに眠られない日です。彼は両川の兵をあげても、荊州の急を救わんとするでしょう。かかる状態を作っておいてから、わが魏の大軍がうごくにおいては、兵法の聖がいっているごとく、必勝を見て戦い、戦うや必ず勝つ、の図にあたりましょう」 。