潯陽
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「君たちは、一体、誰かね」 。 孫策が、訊ねると、大鼻の黒面漢が、先に答えた。「おれたち二人は、九江の潯陽湖に住んでいる湖賊の頭で、自分は公奕といい、ここにいるのは弟分の幼平という奴です」 。「ホ、湖賊。」 。
魯粛はかえって赤面した。とうてい他人の入れ智慧などにうごかされる人物ではないとみて、魯粛もその後は口をつつしんだ。 やがて船は潯陽江(九江)の入江に入り、そこから陸路、西南に鄱陽湖を望みながら騎旅をすすめた。 そして柴桑城街につくと、魯粛は孔明の身をひとまず客館へ案内して、自身はただちに城へ登った。 府堂のうちでは折しも文武の百官が集まって、大会議中のところだった。
そのうち十艘ほどは、商船仕立てに装い、商人態に変装した者ばかりが、山なす商品を上に積んで、高々と帆を張りつらね、半日ほど先に江をさかのぼって行った。二。 日を経て、呉の擬装船団は、潯陽江(九江)の北岸へ漂いついた。漆のような闇を風浪の荒ぶ夜であったが、帆をやすめるいとまもなく、 。「何者だっ、どこの船かっ」と、一隊の兵にすぐ発見され、すぐ船を出た七名の代表者は、そのまま彼らの屯営へ拉致されて行った。