許田の猟
それ射止めてよ」 。 帝が急きこんで叫ばれると、曹操はつと馳け寄って、帝の御手から弓矢を取り、それをつがえながら爪黄馬を走らすかと見る間に、ぶんと弦鳴りさせて射放った。 金※箭は飛んで鹿の背に深く刺さり、鹿は箭を負ったまま百間ばかり奔って倒れた。 公卿百官を始め、下、将校歩卒にいたるまで、金※箭の立った獲物を見て、いずれも、帝の射給うたものとばかり思いこんで、異口同音に万歳を唱えた。 万歳万歳の声は、山野を圧して、しばし鳴りも止まないでいると、そこへ曹操が馬を飛ばしてきて、 。
臣道の巻
本文
三国志