私情を斬る
「孟達の反心は歴然。なぜ拱手して見ているか。直ちに上庸、綿竹の兵をあげて、彼の不義を鳴らし、彼の首を討ち取るべし」と、沙汰した。 これは孔明の深謀で、玄徳としては成都の蜀軍を派して、始末するつもりであったが、孔明はそれを上策でないとして、孟達の追討を劉封に命じれば、その軍に勝っても敗れても劉封は成都へ帰ってくるしかないから、その時に処断することが、対外策としても最良の方法であると説いたのであった。 一方、魏へ投降した孟達は、曹丕の前に引かれて、一応、訊問をうけた。
出師の巻
本文
三国志