臨淮
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「行けや、徐州へ」と、十万余騎は、その日に南陽の地を立った。 大将は、紀霊将軍だった。 一方、南下して来た玄徳の軍も、道を急いで来たので、両軍は臨淮郡の盱眙(安徽省・鳳陽県東方)というところで、果然、衝突した。 紀霊は、山東の人で、力衆にすぐれ、三尖の大刀をよく使うので勇名がある。「匹夫玄徳、なにとて、わが大国を侵すか。
「周瑜。その魯粛とやらは一体どこに住んでいるのか」 。「臨淮の東城(安徽省・東城)におります。――この人は、胸に六韜三略を蔵し、生れながら機謀に富み、しかも平常は実に温厚で、会えば春風に接するようです。幼少に父をうしない、ひとりの母に仕えて孝養をつくし、家は富んでいるものですから東城の郊外に住んで、悠々自適しています」 。