鎮東
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また、どんな機会にでも、自分の兵馬をうごかすのは一歩の前進になると考えるので、命を奉じた。 彼の精兵は、たちまち、地方の鼠賊を掃滅してしまった。朝廷は、彼の功を嘉し、新たに、「鎮東将軍」に叙した。 けれど、その封爵の恩典よりも、彼の獲た実利のほうがはるかに大きかった。 討伐百日の戦に、賊軍の降兵三十万、領民のうちからさらに屈強な若者を選んで総勢百万に近い軍隊を新たに加えた。
「おお、夏侯淵の子なるか」 。 と、眼をあらたにした。 安西鎮東将軍兼尚書駙馬都尉、夏侯楙、字は子休。 彼の父は、武祖曹操の功臣で、漢中の戦に死んでいる。いま蜀軍のさして来るところも漢中である。