一 魏ではこのところ、ふたりの重臣を相次いで失った。大司馬曹仁と謀士賈詡の病死である。いずれも大きな国家的損失であった。 「呉が蜀と同盟を結びました」 折も折、侍中辛毘からこう聞かされたとき、皇帝曹丕は、 「まちがい...
一 合淝の城をあずかって以来、張遼はここの守りを、夢寐にも怠った例はない。 ここは、魏の境、国防の第一線と、身の重責を感じていたからである。 ところが、呉軍十万の圧力のもとに、前衛の※城は一支えもなく潰えてしまった。洪...
一 曠の陣頭で、晴々と、太史慈に笑いかえされたので、年少な孫策は、 「よしッ今日こそ、きのうの勝負をつけてみせる」と、馬を躍らしかけた。 「待ちたまえ」と、腹心の程普は、あわてて彼の馬前に立ちふさがりながら、 「口賢い...
揚州(ようしゅう)とは、中国の古代から三国時代にかけて存在した地名・行政区画です。 揚州は中国南東部、長江より南、江蘇省南部や浙江省、安徽省、江西省、福建省の一部など広範囲を含む地域にあたります。三国志の舞台では重要な地域のひとつで...
一 司馬懿仲達は、中軍の主簿を勤め、この漢中攻略のときも、曹操のそばにあって、従軍していた。 戦後経営の施政などにはもっぱら参与して、その才能と圭角をぽつぽつ現わし始めていたが、一日、曹操にこう進言した。 「魏の漢中進出...
一 張飛は、不平でたまらなかった。――呂布が帰るに際して、玄徳が自身、城門外まで送りに出た姿を見かけたので、なおさらのこと、 「ごていねいにも程がある」と、業腹が煮えてきたのであった。 「家兄。お人よしも、度が過ぎると、馬...