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New Word健啖天下一
一 黄河をわたり、河北の野遠く、袁紹の使いは、曹操から莫大な兵糧軍需品を、蜿蜒数百頭の馬輛に積載して帰って行った。 やがて、曹操の返書も、使者の手から、袁紹の手にとどいた。 袁紹のよろこび方は絶大なものだった。それも道...
絶纓の会
一 その後、日を経て、董卓の病もすっかりよくなった。 彼はまた、その肥大強健な体に驕るかのように、日夜貂蝉と遊楽して、帳裡の痴夢に飽くことを知らなかった。 呂布も、その後は、以前よりはやや無口にはなったが、日々精勤して...
天颷_一
天颷 一 董太師、郿塢へ還る。――と聞えたので、長安の大道は、拝跪する市民と、それを送る朝野の貴人で埋まっていた。 呂布は、家にあったが、 「はてな?」 窓を排して、街の空をながめていた。 「今日は、日も吉い...
牡丹亭
一 「呉の孫堅が討たれた」 耳から耳へ。 やがて長安(陝西省・西安)の都へその報は旋風のように聞えてきた。 董卓は、手を打って、 「わが病の一つは、これで除かれたというものだ。彼の嫡男孫策はまだ幼年だし……」 ...
天颷
天颷 一 董太師、郿塢へ還る。――と聞えたので、長安の大道は、拝跪する市民と、それを送る朝野の貴人で埋まっていた。 呂布は、家にあったが、 「はてな?」 窓を排して、街の空をながめていた。 「今日は、日も吉い...
大権転々
一 西涼(甘粛省・蘭州)の地方におびただしい敗兵が流れこんだ。 郿塢の城から敗走した大軍だった。 董卓の旧臣で、その四大将といわれる李傕、張済、郭汜、樊稠などは、連名して、使者を長安に上せ、 「伏して、赦を乞う」 ...
花嫁
一 「このまま踏み止まっていたら、玄徳はさておいて、呂布が、違約の敵と名乗って、総勢で攻めてくるにちがいない」 紀霊は、呂布を恐れた。 何だか呂布に一ぱい喰わされた気もするが、彼の太い神経には、まったく圧服されてしまった...
傾国
一 王允は、一家を挙げて、彼のためにもてなした。 善美の饗膳を前に、呂布は、手に玉杯をあげながら主人へ云った。 「自分は、董太師に仕える一将にすぎない。あなたは朝廷の大臣で、しかも名望ある家の主人だ。一体、なんでこんなに...
痴蝶鏡
一 春は、丈夫の胸にも、悩ましい血を沸かせる。 王允のことばを信じて、呂布はその夜、素直に邸に帰ったもののなんとなく寝ぐるしくて、一晩中、熟睡できなかった。 「――どうしているだろう、貂蝉は今頃」 そんなことばかり...
煩悩攻防戦
一 呂布は、櫓に現れて、 「われを呼ぶは何者か」と、わざと云った。 泗水の流れを隔てて、曹操の声は水にこだまして聞えてきた。 「君を呼ぶ者は君の好き敵である許都の丞相曹操だ。――しかし、君と我と、本来なんの仇があろう...