王允

傾国

一。　王允は、一家を挙げて、彼のためにもてなした。　善美の饗膳を前に、呂布は、手に玉杯をあげながら主人へ云った。「自分は、董太師に仕える一将にすぎない。

群星の巻 本文 三国志

呂布

私は、安からぬ思いがしてなりませんが」 。「でも、この頃ようやく、宮廷も少しお静かになりかけたところだからな」 。　鮑信はまた、同じような憂えを、司徒の王允にもらした。けれど司法官たる王允でも、董卓のような大物となるとどうしようもなかった。　網をたずさえた漁夫が、鯨をながめて嘆じるように、 。

本文 桃園の巻 三国志

大権転々

「伏して、赦を乞う」 。　と、恭順を示した。　ところが、王允は、 。「断じて赦せない」 。　と、使いを追い返し、即日、討伐令を発した。

群星の巻 本文 三国志

天颷

　呂布は、うつろな眼を、うしろへ向けたが、その人の顔を見て、初めてわれにかえった。「おう、あなたは王司徒ではないか」 。　王允は、微笑して、 。「なぜ、そんな意外な顔をなされるのか。ここはそれがしの別業の竹裏館のすぐ前ですのに」 。

群星の巻 本文 三国志

天颷_一

　呂布は、うつろな眼を、うしろへ向けたが、その人の顔を見て、初めてわれにかえった。「おう、あなたは王司徒ではないか」 。　王允は、微笑して、 。「なぜ、そんな意外な顔をなされるのか。ここはそれがしの別業の竹裏館のすぐ前ですのに」 。

群星の巻 本文 三国志

春園走獣

　驢車から蹴落すとともに、董卓の武士たちは伍俘の全身に無数の刃と槍を加えて、塩辛のようにしてしまった。　　　　　　×　　　　　×　　　　　× 。　都を落ちて、遠く渤海郡（河北省）の太守に封じられた袁紹はその後、洛陽の情勢を聞くにつけ、鬱勃としていたが、遂に矢も楯もたまらなくなって、在京の同志で三公の重職にある司徒王允へ、ひそかに書を飛ばし、激越な辞句で奮起を促してきた。　だが、王允は、その書簡を手にしてからも、日夜心で苦しむだけで、董相国を討つ計はなにも持たなかった。三。

本文 桃園の巻 三国志

牡丹亭

　宴は、早めに終った。　さすが長夜の宴もなお足らないとする百官も、この日は皆、匆々に立ち戻り、一人として、酔った顔も見えなかった。　中でも司徒王允は、わが家へ帰る車のうちでも、董卓の悪行や、朝廟の紊れを、つくづく思い沁めて、 。「ああ。……ああ」 。

群星の巻 本文 三国志