冒頭 芙蓉娘(ふようじょう)とは、吉川英治『三国志』に登場する女性で、姓は鴻、名は芙蓉という、地方の県城を預かっていた領主の娘です。黄巾賊の乱で城と家が滅び、老僧に古塔へ匿われていたところを劉備に託され、白馬で落ちのびます。 ...
冒頭 八百八屍将軍(はっぴゃくはっししょうぐん)とは、張飛(字は翼徳)の武勇を示す綽名です。半日の戦いで「八百八屍の死骸を積」んだという伝承に基づき、黄巾賊を戦慄させた勇名として語られます。 概要 吉川英治『三国志』...
冒頭 鴻芙蓉(こうふよう)とは、吉川英治『三国志』に登場する鴻家の息女で、黄巾賊の乱による没落のさなかに劉備と縁を結ぶ女性です。 生涯 地方の県城を預かった城長の娘で、名を芙蓉、姓を鴻という。黄巾賊の乱入で県城が焼か...
冒頭 南門衛少督(なんもんえいしょうとく)とは、城郭や県城の南門を警備する部隊の指揮系統に属する下級の指揮職を指す呼称です。吉川英治『三国志』では、張飛が「県城の南門衛少督」を務めていたと自称し、地方豪族の鴻家に仕える武士とし...
冒頭 鴻家(こうけ)とは、吉川英治『三国志』において、黄巾の乱前後に一県の県城を支配していた在地の豪族ないし領主層の家を指す呼称です。鴻家の姫として鴻芙蓉が語られ、家の滅亡後も、その遺臣・旧縁によって保護と再興の動きが示されま...
冒頭 衛少督(えいしょうとく)とは、城門や城内の警備をつかさどる衛士の部隊に属し、その指揮を補佐する下級の武官職を指す呼称です。 概要 「督」は軍事・警備における監督、指揮を意味し、「少」は上位の督に対する副・次席の...
冒頭 翼徳(よくとく)とは、張飛(ちょうひ)の字(あざな)で、吉川英治『三国志』では「翼徳張飛」と併称されることがある名です。張飛自身が「名は張飛、字は翼徳」と名乗り、黄巾賊の乱に際しての経歴と結びつけて語られます。 生涯 ...
一 蟠桃河の水は紅くなった。両岸の桃園は紅霞をひき、夜は眉のような月が香った。 けれど、その水にも、詩を詠む人を乗せた一艘の舟もないし、杖をひいて逍遥する雅人の影もなかった。 「おっ母さん、行ってきますよ」 「ああ、...
一 いっさんに馳けた玄徳らは、ひとまず私宅に帰って、私信や文書の反故などみな焼きすて、その夜のうちに、この地を退去すべくあわただしい身支度にかかった。 官を捨てて野に去ろうとなると、これは張飛も大賛成で、わずかの手兵や召使い...
一 母と子は、仕事の庭に、きょうも他念なく、蓆機に向って、蓆を織っていた。 がたん…… ことん がたん 水車の回るような単調な音がくり返されていた。 だが、その音にも、きょうはなんとなく活気があり、歓...
一 白馬は疎林の細道を西北へ向ってまっしぐらに駆けて行った。秋風に舞う木の葉は、鞍上の劉備と芙蓉の影を、征箭のようにかすめた。 やがて曠い野に出た。 野に出ても、二人の身をなお、箭うなりがかすめた。今度のは木の葉のそれ...
一 それは約五十名ほどの賊の小隊であった。中に驢に乗っている二、三の賊将が鉄鞭を指して、何かいっていたように見えたが、やがて、馬元義の姿を見かけたか、寺のほうへ向って、一散に近づいてきた。 「やあ、李朱氾。遅かったじゃないか」...