奇襲
冒頭
奇襲(きしゅう)とは、敵が備えを整える前の隙をねらい、予期しない時刻・経路・兵力運用によって急襲し、局地で優位を得ようとする戦法です。
概要
吉川英治『三国志』では、奇襲は夜襲や間道の迂回、伏兵などと結びついて描かれ、兵力差を補う手段、敵情偵察の一環、あるいは戦局転換の端緒として用いられます。たとえば、間道を迂回して関門を衝く企図や 、月夜でも油断を誘う前提で夜襲を計画する軍議 が見られます。
意味
奇襲の「奇」は常道を外すことで、正面からの攻防ではなく、敵の想定外を作って混乱を起こす点に要があります。作中でも、敵の「備えなきを打つ」として奇襲戦法を採る判断が明示されます 。一方で、敵に察知され包囲されるなど、奇襲が逆用されて不利に転じる展開も示されます 。
用法と背景
奇襲は単独の突撃に限られず、火攻め・陽動・退路遮断などと組み合わされます。兵糧や糧車を焼く行動としての奇襲 、兵を二手に分けて夜陰に乗じる運用 、敵の虚実を知るため「ちょっと当らせてみる」目的で奇襲を命じる例 もあり、戦術目的が多岐にわたります。
吉川三国志での扱いと史実や演義との違い
奇襲そのものは史実・演義双方に一般的な戦法であり、吉川三国志でも戦術語としての用法に大きな相違は見られません。