三国志

三国志(さんごくし)は吉川英治の小説、中国の後漢末から三国時代(紀元2世紀末〜3世紀)の歴史や英雄たちを描いた壮大な物語です。

【三国志について】

・概要と時代背景
 三国志は、後漢の末期(約180年頃)に起こった黄巾の乱を発端に、群雄割拠の戦国状態が広がり、やがて中国が「魏(ぎ)」「蜀(しょく)」「呉(ご)」の三国に分かれて覇を争った時代(約220年〜280年)を指します。
 最終的には西晋によって統一されますが、それまでの過程で無数の戦いや政治的駆け引きが繰り広げられました。

・主要人物
 以下の3人が「三国志」の軸となる英雄です。

劉備(りゅうび):仁徳を重んじる人物で、蜀漢の初代皇帝。義を重んじ、関羽張飛と「桃園の誓い」を結びます。

曹操(そうそう):知略に優れた魏の実力者。現実主義者であり、乱世を終わらせるために強権をふるいました。

孫権(そんけん):父兄のあとを継ぎ、江東を拠点に呉を建国。外交と軍事のバランス感覚に長けていました。

吉川英治の『三国志』と史実との違い
 吉川英治の『三国志』は、陳寿の『三国志』(史実)と、明代に成立した『三国演義』(フィクション要素の強い物語)を下敷きにして、さらに日本人向けに読みやすく、ドラマチックに脚色された小説です。
 特に「義」を重んじる劉備像や、「忠義の士」としての関羽の描写は、『演義』の影響が色濃く反映されています。

・文化的意義
 『三国志』は日本や中国、韓国など東アジア全体で非常に人気があり、漫画、アニメ、ゲーム、小説など様々な形で語り継がれています。日本では吉川英治の小説をきっかけに、広く一般にも知られるようになりました。

・三国志の教訓
 リーダーシップ、戦略、忠誠、裏切り、知略、義侠心など、多くの人間ドラマが展開され、「人の上に立つとは何か」「時代を変えるとはどういうことか」という普遍的なテーマが込められています。

要するに、『三国志』とは単なる歴史の記録ではなく、人間の本質と時代のうねりを描いた東洋最大級の叙事詩と言える作品です。

「三国志」登場回数
合計: 23回
0 1 2 3 5 1 桃園の巻 2 群星の巻 3 草莽の巻 2 臣道の巻 1 孔明の巻 3 赤壁の巻 0 望蜀の巻 2 図南の巻 5 出師の巻 4 五丈原の巻
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