姦雄

姦雄(かんゆう)とは
古い言葉で、「智略にすぐれて大事をなすが、正道から外れた人物」を意味する。単なる悪人ではなく、非道を用いてでも大業を成す強力な人物像を指す。
 
意味
「姦」はずる賢い、道に外れるという意味を持ち、「雄」は英雄のこと。つまり「姦雄」とは「奸智をもって英雄となる人」を表す。
正しい道を歩む「真の英雄」と対比される概念であり、褒め言葉ではなく、ある種の畏怖や皮肉を含む呼称である。
 
三国志での文脈
三国志において「姦雄」の代表は曹操である。司馬光の『資治通鑑』や後世の評価でも、曹操は「治世の能臣、乱世の姦雄」と称された。これは「平和な世なら優れた宰相だが、乱世においては奸智をもって大業を成す人物」という意味である。
 
使い方の例
・「彼は才あるが義を欠き、まさに姦雄と呼ぶべきだ」
・「姦雄曹操」といった表現は後世の歴史書・講談に定着した。
 
吉川英治三国志での扱われ方
吉川版でも曹操は「姦雄」として登場し、劉備孫権と対比される存在に描かれる。奸智と野望をもって乱世を駆け抜ける姿は、物語を緊張させる中心的役割を担っている。
「姦雄」登場回数
合計: 6回
0 1 2 3 4 2 桃園の巻 4 群星の巻 0 草莽の巻 0 臣道の巻 0 孔明の巻 0 赤壁の巻 0 望蜀の巻 0 図南の巻 0 出師の巻 0 五丈原の巻
最終更新日: 約1ヶ月前