姦雄
姦雄(かんゆう)とは
古い言葉で、「智略にすぐれて大事をなすが、正道から外れた人物」を意味する。単なる悪人ではなく、非道を用いてでも大業を成す強力な人物像を指す。
意味
「姦」はずる賢い、道に外れるという意味を持ち、「雄」は英雄のこと。つまり「姦雄」とは「奸智をもって英雄となる人」を表す。
正しい道を歩む「真の英雄」と対比される概念であり、褒め言葉ではなく、ある種の畏怖や皮肉を含む呼称である。
三国志での文脈
三国志において「姦雄」の代表は曹操である。司馬光の『資治通鑑』や後世の評価でも、曹操は「治世の能臣、乱世の姦雄」と称された。これは「平和な世なら優れた宰相だが、乱世においては奸智をもって大業を成す人物」という意味である。
使い方の例
・「彼は才あるが義を欠き、まさに姦雄と呼ぶべきだ」
・「姦雄曹操」といった表現は後世の歴史書・講談に定着した。