山陰
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「山陰」登場回数
合計: 13回「山陰」が登場する場面
7件ネジ
張嶷に対しては、こういう奇策が授けられた。「汝は、五百の兵をもって、六丁六甲の鬼神軍に仕立て兵にはみな鬼頭を冠らせ、面を塗って妖しく彩らせよ。そしておのおの黒衣素足、手に牙剣をひっさげ旗を捧げ、腰には葫芦をかけて内に硫黄煙硝をつめこみ、山陰にかくれていて、郭淮の部下がわが王平軍を追いちらし、木牛流馬を曳いてかえらんとする刹那に彼を襲え。必定敵は狼狽驚愕、すべてを捨てて逃げ去るにきまっている。で、その後に、全部の木牛流馬の口腔のネジを左にまわし、わが祁山へさして曳いてこい」 。
七軍魚鼈となる
――」を見るべく、関羽は高地へ登って、遥かに手をかざした。 まず、樊城の城内をうかがえば、すでにそこの敵は外部と断たれてから、士気もふるわず旗色も萎靡して、未だに魏の援軍とは連絡のとれていないことが分る。 また一方、城外十里の北方を見ると、その附近の山陰や谷間や河川のほとりには、なんとかして城中の味方と連絡をとろうとしている魏の七手組の大将が七軍にわかれて、各所に陣を伏せている様子が明らかに遠望された。「関平。土地の案内者をここへ呼べ」 。
北斗七星旗
とさとって、仲達がなおその兵を自身で吟味してみると、昨夜の怪しい妖陣のうちの一陣はたしかに孔明の車であったに違いはないが、あと三陣の隊伍と車は、姜維、魏延、馬岱などが偽装していたもので、孔明の影武者であったに過ぎないということが分った。「ああそれで縮地の法の手段が読めた。同装同色同物の隊伍を四つ編制しておいて、追われて逃げる時は、曲り道の山陰や、丈高き草の道などで、近きが隠れ、遠きが現われ、いわゆる身代りの隠顕出没によって、追う者の眼を惑わし惑わし逃げていたのだ。……さすがは諸葛亮。さりと...
孔明を訪う
冬の梢は、青空を透かして見せ、百禽の声もよく澄みとおる。淙々とどこかに小さい滝の音がするかと思えば、颯々と奏でている一幹の巨松に出会う。――坂道となり山陰となり渓橋となり、遠方此方の風景は迎接に遑なく、かなり長い登りだが道の疲れも忘れてしまう。「おお、あれらしい」 。 関羽は、指さして、玄徳をふり向いた。
戦車と地雷
「ちとおかしいぞ」 。 引っ返そうとすると、時すでに遅し。 一方の疎林から張嶷、王平、鼓を打って殺出し、一面の山陰からは、魏延、馬忠、喊呼をあげて迫ってきた。「もどれっ、いや先へ行け」 。 狼狽のあまり、山の根まで突き当るように奔ってゆくと、山上の旗鼓、いちどに雪崩れおりて来て、 。
梅酸・夏の陣
「彼に地の利あれば、われにも地の利を取らねばなるまい」 。 曹操もまた、一方の山に添うて陣をしいた。そして、その行動が日没から夜にわたっていたのを幸いに、夜どおしで、道もなさそうな山に一すじの通りを坑り、全軍の八割まで山陰の盆地へ、かくしてしまった。 夜が明けて、朝霧もはれかけてくると、小手をかざして彼方の陣地から見ていた劉表、張繍の兵は、 。「なんだ、あんな小勢か」と、呟いている様子だった。
檻車
「なにが来るのだろうか」と、関羽をかえりみた。 関羽は、手をかざして、道の前方数十町の先を、眺めていた。そこは山陰になって、山と山の間へ道がうねっているので、太陽の光もかげり、何やら一団の人間と旗とが、こっちへさして来るのは分るが官軍やら黄巾賊の兵やら――また、地方を浮浪している雑軍やら、見当がつかなかった。 だが、次第に近づくに従って、ようやく旗幟がはっきり分った。関羽が、それと答えた時には、従う兵らも口々に云い交わしていた。