都亭侯
都亭侯(とていこう)とは
後漢の爵位のひとつで、「侯」に分類される封爵。都亭は小さな城塞・関所のことを指し、「都亭侯」とはそれを領地とする侯の意味。実際の領土はごく小規模であり、名誉的な称号に近かった。
歴史的背景
漢代の爵位は、王・侯・公・伯・子・男のように封地や格式によって区分されていた。その中で「都亭侯」は最下位に近い格の爵位で、軍功や官位の叙任に伴って授けられることが多かった。実質的な支配権よりも恩賞・栄誉を示す意味合いが強い。
三国志での用例
このように都亭侯は「出発点としての栄誉」として登場し、後の大きな飛躍への布石となる爵位だった。
吉川版でも曹操が「都亭侯」に封じられる場面が描かれる。のちの魏の王、さらに皇帝権力の源流となる人物が最初に得た小さな爵位として、物語の序章に象徴的な位置づけを与えられている。