Search Results

New Word
長坂橋

一  この日、曹操は景山の上から、軍の情勢をながめていたが、ふいに指さして、 「曹洪、曹洪。あれは誰だ。まるで無人の境を行くように、わが陣地を駆け破って通る不敵者は?」  と、早口に訊ねた。  曹洪を始め、そのほか群将も...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
髪を捧ぐ

一  街亭の大捷は、魏の強大をいよいよ誇らしめた。魏の国内では、その頃戦捷気分に拍車をかけて、 「この際、蜀へ攻め入って、禍根を断て」  という輿論さえ興ったほどである。司馬懿仲達は、帝がそれにうごかされんことをおそれて、 ...

五丈原の巻 本文 三国志
3 days ago
殺地の客

一  孔明の使命はまず成功したといってよい。呉の出師は思いどおり実現された。孔明はあらためて孫権に暇を告げ、その日、すこし遅れて一艘の軍船に身を託していた。  同舟の人々は、みな前線におもむく将士である。中に、程普、魯粛の二将も...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
母子草

一  于禁は四日目に帰ってきた。  そのあいだ曹操は落着かない容子に見えた。しきりに結果を待ちわびていたらしい。 「ただいま立ち帰りました。遠く追いついて、蔡夫人、劉琮ともに、かくの如く、首にして参りました」  于禁の報...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
舌戦

一  長江千里、夜が明けても日が暮れても、江岸の風景は何の変化もない。水は黄色く、ただ滔々淙々と舷を洗う音のみ耳につく。  船は夜昼なく、呉の北端、柴桑郡をさして下っている。――その途中、魯粛はひそかにこう考えた。 「痩せて...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
一帆呉へ下る

一  玄徳の生涯のうちでも、この時の敗戦行は、大難中の大難であったといえるであろう。  曹操も初めのうちは、部下の大将に追撃させておいたが、 「今をおいて玄徳を討つ時はなく、ここで玄徳を逸したら野に虎を放つようなものでしょう...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
進軍

一  劉璋は面に狼狽のいろを隠せなかった。 「曹操にそんな野心があってはどうもならん。張魯も蜀を狙う狼。曹操も蜀をうかがう虎。いったいどうしたらいいのじゃ」  気が弱い、策がない。劉璋はただ不安に駆られるばかりな眼をして云っ...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
亡流

一  渦まく水、山のような怒濤、そして岸うつ飛沫。この夜、白河の底に、溺れ死んだ人馬の数はどれ程か、その大量なこと、はかり知るべくもない。  堰を切り、流した水なので、水勢は一時的ではあった。しかしなお、余勢の激流は滔々と岸を洗...

本文 三国志 赤壁の巻
3 days ago
烽火台

一  瑾の使いは失敗に帰した。ほうほうの態で呉へ帰り、ありのままを孫権に復命した。 「推参なる長髯獣め。われに荊州を奪るの力なしと見くびったか」  孫権は、荊州攻略の大兵をうごかさんとして、その建業城の大閣に、群臣の参集を求...

本文 三国志 遠南の巻
3 days ago
小覇王

一  曠の陣頭で、晴々と、太史慈に笑いかえされたので、年少な孫策は、 「よしッ今日こそ、きのうの勝負をつけてみせる」と、馬を躍らしかけた。 「待ちたまえ」と、腹心の程普は、あわてて彼の馬前に立ちふさがりながら、 「口賢い...

本文 草莽の巻 三国志
3 days ago
荊州往来

一  周瑜は、その後も柴桑にいて瘡養生をしていたが、勅使に接して、思いがけぬ叙封の沙汰を拝すると、たちまち病も忘れて、呉侯孫権へ、次のような書簡をしたためて送った。 天子、詔を降して、いま不肖周瑜に、南郡の太守に封ずとの恩命があり...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
功なき関羽

一  難路へかかったため、全軍、まったく進退を失い、雪は吹き積もるばかりなので、曹操は焦だって、馬上から叱った。 「どうしたのだ、先鋒の隊は」  前隊の将士は、泣かんばかりな顔を揃えて、雪風の中から答えた。 「ゆうべの大...

本文 望蜀の巻 三国志
3 days ago
江陵

三国志 地名
9 days ago