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New Word兵学談義
一 戒めなければならないのは味方同士の猜疑である。味方の中に知らず知らず敵を作ってしまう心なき業である。 が、その反間苦肉をほどこした曹操のほうからみれば、いまや彼の軍は、西涼の馬超軍に対して、完全なる、 敵中作敵 ...
不倶戴天
一 このとき丞相府には、荊州方面から重大な情報が入っていた。 「荊州の玄徳は、いよいよ蜀に攻め入りそうです。目下、彼の地では活溌な準備が公然と行われている」 曹操はかく聞いて胸をいためた。もし玄徳が蜀に入ったら、淵の龍が...
絶妙好辞
一 思いがけぬ孔明の言葉に、老将黄忠の忿懣はやるかたなく、色をなして孔明に迫るのだった。 「昔、廉頗は年八十に及んで、なお米一斗、肉十斤を食い、天下の諸侯、これをおそれ、あえて趙の国境を犯さなかったといいます。まして私は、未だ...
渭水を挟んで
一 曹操の本軍と、西涼の大兵とは、次の日、潼関の東方で、堂々対戦した。 曹軍は、三軍団にわかれ、曹操はその中央にあった。 彼が馬をすすめると、右翼の夏侯淵、左翼の曹仁は、共に早鉦を打ち鼓を鳴らして、その威風にさらに気勢...
女衣巾幗
一 誰か知ろう真の兵家が大機を逸した胸底のうらみを。 人はみな、蜀軍の表面の勝ちを、あくまで大勝とよろこんでいたが、独り孔明の胸には、遺憾やるかたないものがつつまれていた。 加うるに、彼が、ひとまず自軍を渭南の陣にまと...
西蜀四十一州図
一 覇者は己れを凌ぐ者を忌む。 張松の眼つきも態度も、曹操は初めから虫が好かない。 しかも、彼の誇る、虎衛軍五万の教練を陪観するに、いかにも冷笑している風がある。曹操たる者、怒気を発せずにはいられなかった。 「張松...
火水木金土
一 渭水は大河だが、水は浅く、流れは無数にわかれ、河原が多く、瀬は早い。 所によって、深い淵もあるが、浅瀬は馬でも渡れるし、徒渉もできる。 ここを挟んで、曹操は、北の平野に、野陣を布いて、西涼軍と対していたが、夜襲朝討...