冒頭 泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)とは、情としては惜しみ涙を流すほどの相手であっても、公の規律や大義を守るためには処罰を断行する、という故事成語です。 概要 蜀の諸葛亮が北伐中、要地の街亭を守る任を与えた...
冒頭 馬謖(ばしょく)とは蜀の諸葛亮に近侍した参軍で、才知を買われて北伐の要地街亭の守将に抜擢されながら、布陣の誤りによって大敗を招き、軍法により処刑された人物です。 生涯 馬良の弟で、兄馬良が戦死したのち、その遺族...
冒頭 蒋琬(しょうえん)とは、蜀漢に仕えた文官で、諸葛亮の幕僚として内政と軍政の双方に関与し、諸葛亮没後の政務を担う後継者として位置づけられる人物です。諸葛亮が戦局の責任を負って自ら官位を下げる意向を奏上した際、その上表を成都...
一 魏の兵が大勢して仔馬のごとく草原に寝ころんでいた。 一年中で一番季節のよい涼秋八月の夜を楽しんでいるのだった。 そのうちに一人の兵が不意に、あっといった。 「やっ。何だろう?」 また、ひとりが指さし、その...
一 馬超は弱い。決して強いばかりの人間ではなかった。理に弱い。情にも弱い。 李恢はなお説いた。 「玄徳は、仁義にあつく、徳は四海に及び、賢を敬い、士をよく用いる。かならず大成する人だ。こういう公明な主をえらぶに、何でうし...
一 長安に還ると、司馬懿は、帝曹叡にまみえて、直ちに奏した。 「隴西諸郡の敵はことごとく掃討しましたが、蜀の兵馬はなお漢中に留っています。必ずしもこれで魏の安泰が確保されたものとはいえません。故にもし臣をして、さらにそれを期せ...
一 孟獲は自陣に帰った。だが数日はぼんやり考えこんでばかりいる。弟の孟優が、 「兄貴、とても孔明にはかなわないから、いっそ降参したらどうかね」 と意見すると、彼は俄然、魂が入ったようにくわっと眼をむいた。 「ばかをぬ...
一 旌旗色なく、人馬声なく、蜀山の羊腸たる道を哀々と行くものは、五丈原頭のうらみを霊車に駕して、空しく成都へ帰る蜀軍の列だった。 「ゆくてに煙が望まれる。……この山中に不審なことだ。誰か見てこい」 楊儀、姜維の両将は、物...
一 「大王が帰ってきた」 「大王は生きている」 と、伝え合うと、諸方にかくれていた敗軍の蛮将蛮卒は、たちまち蝟集して彼をとり巻いた。そして口々に、 「どうして蜀の陣中から無事に帰ってこられたので?」 と、怪訝顔し...
一 孔明は成都に還ると、すぐ参内して、天機を奉伺し、帝劉禅へこう奏した。 「いったい如何なる大事が出来て、かくにわかに、臣をお召し還し遊ばされましたか」 もとより何の根拠もないことなので、帝はただうつ向いておられたが、や...