寒門
冒頭
寒門(かんもん)とは、家が貧しく、家格や門地の高くない家柄をいう語です。転じて、そのような家に生まれた人物の出自や境遇を指して用いられます。
概要
「門」は家門・家柄、「寒」は貧窮や零落を表し、寒門は名門・豪族と対置される概念です。官途や人材登用が、家柄や郷里の有力層との関係に左右されやすい社会では、寒門は後援や資力に乏しい立場として理解されます。
意味
寒門は単なる貧しさだけでなく、政治的な基盤の弱さを含意します。兵を募る資金、学問を修める環境、推挙してくれる人脈などが乏しいことが、仕官・出世・軍事行動の制約として語られる場合があります。一方で、寒門の人物が才能や功績によって地位を得ることは、徳や実力による登用という価値観とも結びつきます。
当時の文脈での使われ方
寒門は「寒門の士」「寒門出身」などの形で、人の履歴説明や評価の前提として置かれます。物資の欠乏や家計の逼迫は、寒門の具体像として語られやすく、たとえば母子が夜更けまで灯火のもとで生計を立てつつ学を支える、といった生活描写は寒門的境遇の説明に近い要素を備えます 。
関連人物
史実との違い
吉川三国志での扱いと史実や演義との違いとしては、寒門は制度上の厳密な身分区分というより、人物の境遇説明の語として運用されやすい点が挙げられます。