尚書
冒頭
尚書(しょうしょ)とは、後漢から魏・蜀・呉にかけて中枢の政務を扱った官職、またその官府組織を指す語です。詔勅の起草・奏上の取次ぎ・法令や人事の運用など、皇帝権力を実務面で支える職掌と結びつきます。
概要
吉川英治『三国志』では、「尚書令」のように尚書を統轄する高官の名称として現れ、政権中枢の意思決定に直結する地位として扱われます。たとえば曹操の政権下で、伏皇后の事件に際し「尚書令の華歆」が呼ばれる場面があり、官府の職掌として宮中・朝廷の実務に関与することが示されます 。また蜀では、劉備の即位に伴う官制整備の中で法正が「尚書令」に任ぜられます 。
歴史
尚書は本来、文書を扱う近臣的官から発展し、後漢末には尚書台を中心に行政実務を担う機構として重みを増しました。政権が群雄に分立する時代には、軍事指揮官とは別に、政務を統べる官府の要として位置づけられ、尚書令などの官は政権運営の中核を形成します。
意味
「尚書」は単独では尚書の官、または尚書台に属する官人一般を指し、「尚書令」は尚書部門を統轄する長官を指します。作中では、官職が複数兼ねられる例として「安西鎮東将軍 兼 尚書」のような形でも見え、軍事と政務の権限が併置される実態をうかがわせます 。
関連人物
史実との違い