廟堂
冒頭
廟堂(びょうどう)とは、祖先をまつる宗廟と朝廷の政務の場を重ねて言い、転じて国家の中央政府や朝廷首脳部を指す言葉です。吉川英治『三国志』では「漢室の廟堂」「廟堂人あるも人なきに似」などの形で、漢王朝の統治中枢そのもの、またはそこに集う公卿・重臣層をまとめて指す語として用いられます 。
概要
原義の背景には、国家の正統性が歴代の祖宗を祀る宗廟に支えられ、その正統性の下で政治が行われるという観念があります。作中でも「国家の宗廟が保たれている」と語られ、宗廟の維持が王朝存続の象徴として扱われます 。一方で「政治は朝廟で議するも、令は相府に左右される」といった記述により、形式上の朝廷と実権の所在(相府)との差が示され、廟堂が必ずしも実権を意味しない文脈でも現れます 。
意味
用法は大きく二つに分かれます。第一に、政権中枢一般としての廟堂で、腐敗や専横の温床として「漢室の廟堂そのものが腐敗している」と言われます 。第二に、朝廷に属する人物・立場を示す呼称としての廟堂で、例えば「廟堂の公孫瓚」のように、在野や地方勢力に対置される中央側の一員という含意を帯びます 。
関連用語
史実との違い