桓帝
桓帝(かんてい)とは、後漢王朝の第11代皇帝、諱は劉志。西暦132年に即位し、168年まで在位していた。
桓帝は即位当初こそ若年で、外戚や宦官の権力争いに巻き込まれていたものの、成長とともに政治への直接的な参与を増していった時期もある。しかし晩年は宦官の力が非常に強く、彼自身も彼らに頼ることが多かった。この宦官政治の時代は、後漢が衰退していく一因となった。
治世下では、役人の腐敗や農民の困窮が深まり、やがて黄巾の乱など、後の時代に続く社会不安の要因をはらんでいた。桓帝は贅沢を好み、腐敗した宦官たちを側近に置き、政務を宦官たちに任せてしまう一方で、良識ある儒者や官僚の諫言にも耳を貸さなかったとされる。
史実では、桓帝自身は三国時代にはすでに亡くなっており、物語の本編が始まる頃において彼は既にこの世を去っている存在である。そのため吉川英治の三国志本編には大きな登場はないが、彼の時代の政治の乱れが物語の大きな背景として存在している。
また桓帝に子どもはなく、後継者問題も絶えなかった。こののち霊帝が即位し、その治世に入った後で「三国志」の物語は本格的に動き出す。
桓帝の時代の混乱が後漢末の混迷や群雄割拠の時代につながるため、三国志を読み進めるにあたり「三国の世が生まれる原因のひとつ」として押さえておくと、背景理解がより深まる。
「桓帝」の基本情報
総登場回数
6回
活動期間
4巻にわたって登場
初回登場
桃園の巻
最終登場
五丈原の巻
最も活躍した巻
孔明の巻
(2回登場)