霊帝
霊帝(れいてい)とは、後漢末期の皇帝、劉宏(りゅうこう)のことです。
生涯
霊帝は、後漢の第12代皇帝で、即位した当時は若年でした。父は桓帝(かんてい)で、死後に皇后の甄氏(しんし)の子として擁立されました。彼の治世(168年〜189年)は、宦官(かんがん)による政権の私物化が横行し、政治が極度に腐敗した時代です。彼自身は酒色に溺れ政治から遠ざかることが多く、国家の統治力は急速に低下していきました。
有名なエピソード
霊帝の時代、官職を売り買いする「売官(ばいかん)」が公然と行われました。これにより多くの有能でない者も官僚となり、政治はますます混乱します。この時期に多発した民衆の不満が「黄巾の乱(こうきんのらん)」という大規模な民衆反乱につながります。
人物
霊帝自身は優柔不断で自己保身に走りがちな一面が強調されることが多いです。特に宦官や外戚の勢力に振り回され、実質的な実権を持てなかったと言われています。
妻子や血縁
皇后には何人か任じましたが、最も有名なのは宋皇后です。息子に少帝弁と献帝がいます。霊帝の死後は、後継ぎ争いが激化し、漢王朝の実質的な崩壊が加速します。
関連する人物
何進(かしん):霊帝の死後、実権を握った権臣で、後宮の何太后の実兄。
董卓(とうたく):後に都を制圧し政治を壟断する軍閥。
吉川英治の三国志と史実で違う点
吉川英治の小説では霊帝は時代の流れの中でほとんど無力な象徴として描かれていますが、多くの歴史書においても彼の治世での政治腐敗は有名です。ただし、実際の霊帝がどの程度政治に意思を持って関わっていたかは史書によって評価が異なります。
「霊帝」の基本情報
総登場回数
16回
活動期間
2巻にわたって登場
初回登場
桃園の巻
最終登場
五丈原の巻
最も活躍した巻
桃園の巻
(14回登場)