符水
冒頭
符水(ふすい)とは、道士が符を用いて作るとされる霊験のある水で、祈禱や呪法と結びつけて病を癒すなどの目的に用いられるものです。吉川英治『三国志』では、道士が「符水を施して万病を救う」と語られています 。
概要
作法は一定しないが、符と呼ばれる文字・図形(霊符)を水に浸す、あるいは焼いた灰を水に混ぜるなどして、これを飲ませたり、患部に用いたりすると説明されることが多い呪療の一種です。宗教的実践としての道教的治病や、民間信仰のまじないと連続する位置づけにあります。
意味
符水の「符」は神意や霊力を媒介するとされる記号で、「水」はそれを体内へ取り入れる媒体とみなされます。物理的な薬効というより、呪文・潔斎・行徳などと一体化した治療行為として理解されます。
作中での用例
張角は悪疫流行の地で、丹薬を与えても癒らぬ者に対し「符水の法」を施し、多くの病人が起き上がったとされています 。また于吉は城外の道院にこもって道を講じ、符水を施して「諸人の万病を救い」、そのため民衆から神仙のように崇められていたと説明されます 。
関連人物
張角 。于吉 。
史実との違い
吉川三国志では符水の霊験が民衆動員や政治的緊張を生む要因として具体的に語られる一方、史実ではその効験自体を検証できる資料は限られ、伝承・信仰として記録される性格が強いとされます。