四海
四海(しかい)とは
四海とは、中国古代の表現で「天下」「世界」を意味する言葉である。文字通りには「四方を囲む海」を指し、中国の中心を取り巻く世界全体を象徴的に表現している。
歴史的背景
古代中国では、四海の内はすべて天子の支配領域とされ、「四海に一家を成す」「四海安んず」といった言葉が用いられた。これは、天下が一つの秩序に統合され、平和が実現する理想を示す表現である。
三国志での用例
三国志の物語の中では、「四海の乱」「四海に名を知られる」などの形で登場する。すなわち、天下全体の混乱や統一、あるいは英雄の名声が広く行き渡ることを意味している。後漢末の乱世を描く際に、「四海騒然」といった表現で天下大乱を形容するのが典型である。