銅鑼
冒頭
銅鑼(どら)とは、青銅などの金属で作られた円盤状の打楽器で、打って大きな音を出し、合図や威嚇、注意喚起に用いられるものです。軍中では鼓と組み合わせた鉦鼓の一つとして扱われ、部隊運用の指揮・伝達に関わりました。
概要
銅鑼は携行しやすく、強い響きが遠方まで届くため、戦場や陣営での時刻・集合・進退の合図、警戒、兵の統制に用いられました。音そのものが心理的圧力になり、鬨の声や太鼓と同時に鳴らすことで敵味方の注意を一挙に引きつける用途もありました。
意味
当時の用法では、銅鑼は単独の楽器名にとどまらず、鼓や喊声と組み合わせた戦闘の合図体系の一部を指す場合があります。吉川英治の三国志でも、銅鑼・鼓・喊呼を一体にして夜間の騒擾を起こし、敵の疑心や疲労を誘う類の用いられ方が示されます。
用法と文脈
正面攻撃を装うために銅鑼や鼓を打ち鳴らして敵の注意を正面に固定し、別働隊を動かすといった陽動にも用いられます。 また、伏兵に銅鑼鼓を持たせて決め時の合図を担わせるなど、奇襲・埋伏の運用とも結びつきます。
関連語
鼓は拍節と勢いを支える軍楽・合図の中心的打楽器で、銅鑼と併用されることが多いものです。鉦鼓は鉦や鼓などの打楽器による合図・軍楽全体をまとめていう語で、出陣や追撃などの号令と結びつきます。
史実との違い
吉川三国志における銅鑼の軍中での用いられ方は、史実や演義にみられる打楽器による合図・威嚇・統制の一般的な理解と大きくは矛盾しません。