中山
中山(ちゅうざん/ちゅうさん)は、中国古代の地名・国名の一つとして、三国志やその時代背景にしばしば登場する。三国志の物語の中では、特に「中山靖王」や「中山王」などの爵位や王号で言及されることが多い。
中山は本来、戦国時代に現在の河北省中部・南部に位置した国であり、戦国七雄で知られるほど規模は大きくなかったが、北方民族や強国に対して巧みに立ち回る小国として知られていた。のちに戦国時代末期には趙(ちょう)によって滅ぼされ、以降は地名や郡として残る。
漢代以降、中山郡や中山国といった行政区分や封地として有力者に与えられており、漢王朝や後続の王朝で皇族や重臣に分封されることが多かった。中山靖王劉勝(りゅうしょう)は、漢高祖劉邦(りゅうほう)の子として有名だが、後に多くの血縁者が中山を治めている。
三国志の時代には、中山自体が重要な戦場や首都となることは少ないが、地理的に中原や北方との中間に位置するため、しばしば有力者の出身地として、または官名や領地名として記されている。
三国志の物語の中では主に地名や爵位・王号として使われており、直接物語の主軸を担うことは少ないが、中国歴代王朝における中間的な土地、王朝と王朝をつなぐ地として象徴的な存在となっている。
なお、中山という言葉が物語中で登場した際は、「地名や爵位に関するエピソード」「そこに関連する登場人物の運命や生涯」を読む手がかりにすると、物語をより深く味わうことができる。
また、史実と創作の大きな違いはないが、三国志演義や吉川英治の三国志においては中山の地理的・歴史的な役割の描写が簡略化されていることがあるため、舞台背景のイメージをふくらませながら読むのも一興である。
「中山」の基本情報
総登場回数
21回
活動期間
6巻にわたって登場
初回登場
桃園の巻
最終登場
出師の巻
最も活躍した巻
桃園の巻
(10回登場)