偃月刀

偃月刀(えんげつとう)とは
偃月刀は、中国武術や歴史物語に登場する長柄武器の一種である。刀身が大きな弧を描いており、形が半月(偃月=寝かせた月)に似ていることからその名がある。柄は長く、薙ぎ払うように使うのが特徴。
 
歴史的背景
史実において、後漢から三国時代にかけて実際に偃月刀が使われていたという確実な記録はない。宋代以降に武具として登場し、武術の演武や兵器として広まったと考えられている。そのため、三国志の時代に偃月刀が戦場で使われたというのは後世の創作要素である。
 
関連する人物
三国志演義や吉川英治三国志』において、関羽雲長が愛用した武器として有名である。関羽の使う偃月刀は特に「青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)」と呼ばれ、重さ八十二斤(約二十数kg)と伝えられ、彼の武勇を象徴する存在となっている。
 
吉川英治三国志での扱われ方と史実との違い
吉川英治の『三国志』でも関羽の武器として偃月刀が描かれているが、これは後世の演義や講談の伝承を踏まえたものである。史実の関羽が実際に偃月刀を使っていたわけではない。偃月刀は「義」と「武勇」の象徴として物語世界に強い印象を残している。
「偃月刀」登場回数
合計: 14回
0 0 1 2 3 3 桃園の巻 0 群星の巻 0 草莽の巻 3 臣道の巻 1 孔明の巻 0 赤壁の巻 3 望蜀の巻 2 図南の巻 2 出師の巻 0 五丈原の巻
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