太牢
冒頭
太牢(たいろう)とは、国家や宗廟の大きな祭祀で用いられる最上位の供犠で、牛・羊・豚の三牲をそなえる形式を指す語です。
概要
太牢は、天子・諸侯級の祭礼や、祖先をまつる宗廟祭祀など、格式を要する場での供え物を示す制度的な用語です。供犠の等級には太牢のほか、羊・豚などを用いる下位の形式があり、供える牲の種類と数が礼制上の区別となりました。
意味
文字の「牢」は本来、犠牲獣をつなぐ囲いを意味し、転じて祭祀に用いる犠牲獣そのもの、またその供え方を表します。太牢は「大いなる牢」で、三牲をそなえることにより、祭祀の重大さや主催者の権威を示す語として機能しました。
当時の文脈での使われ方
吉川英治『三国志』では、董卓が洛陽を焼いて去った直後、袁紹が仮宮を整えたうえで「太牢を供えて、宗廟の祭を営もう」と諸侯に参列を求め、荒廃した都における形式的な朝廷祭祀の再開を示す語として現れます 。また作中では、祭礼に関連して羊や牛などの贄が行列する描写もあり、供犠が政治的儀礼の一部として扱われています 。
史実との違い