焦土戦術
冒頭
焦土戦術(しょうどせんじゅつ)とは、撤退や籠城の放棄に際して、敵が利用し得る物資や施設を焼却・破壊し、占領しても補給・駐屯・統治の利を得にくくするための戦術です。
概要
焦土化の対象には、城郭・官舎・倉庫などの軍事拠点だけでなく、食糧・家屋・橋梁・船など広い範囲が含まれます。敵の進撃速度を鈍らせ、現地調達を困難にして兵站を崩すことを狙いとします。一方で、実行には自国領・自国民の生活基盤を損なう代償が伴い、政治的正当性や民心への影響が大きい点が特徴です。
意味
「焦土」は焼けて黒くなった土地を指し、転じて焼亡・荒廃した都市や地域の状態を表します。そこから、焼き払って敵の利益を奪うという発想が「焦土戦術」としてまとめられます。
三国志での文脈
吉川英治『三国志』では、漢中の南鄭が曹操軍に包囲され、張魯が降伏か抗戦かで揺れる局面で、弟の張衛が「全市全城を焼き払おう」と焦土戦術を唱え、楊松がこれに反対して降伏を促す対立として描かれます 。ここでは、軍事合理性の議論であると同時に、国財や民生をどう扱うかという統治上の判断とも結びついています 。
関連人物
史実との違い